ニューロモデュレーションとは、神経に微弱な電気を流すことにより、さまざまな慢性疾患を緩和する治療です。
私たちは、パーキンソン病に伴う運動障害、ジストニア、本態性振戦などの振戦(ふるえ)の症状を軽減するための脳深部刺激装置と、慢性的な痛みを緩和するための脊髄刺激装置、便失禁を改善させる仙骨神経刺激装置を提供しています。
これらの装置は体内完全植込み型であり、患者さんの活動レベルや日常生活の向上を目的としています。
DBS(Deep Brain Stimulation)
難治性のパーキンソン病や、本態性振戦・症候性振戦、ジストニア等の不随意運動症に対する脳外科的治療で脳深部に電極を留置し継続的に電気刺激を行うことによりその部位の異常活動を抑えて、従来の外科治療で行われていた脳深部の破壊術と同様な効果を得る治療法です。
またDBSは可逆的(脳を破壊しない)で、手術に伴う合併症が少なく患者様に応じて体の外から設定が可能な治療法です。電気を発生する機器の充電式も国内発売され、さらに患者様に応じた機器の選択も可能になってきております。
SCS(Spinal Cord Stimulation)
鎮痛剤や神経ブロックなどで十分な除痛・鎮痛が得られない痛みを、脊髄と脊椎の間にある硬膜外腔に電極を留置して電気刺激を行うことで、痛みが脳に伝わりにくくなり痛みを和らげる治療法です。
電気を発生する機器の充電式も国内発売され、さらに患者様に応じた機器の選択も可能になってきております。
SNM(Sacral Neuromodulation)
仙骨刺激療法は排便に関連した神経を心臓ペースメーカに似た小型の刺激装置で継続的に電気刺激し、症状の改善を図る治療方法です。試験刺激の段階で効果のある患者さまだけに刺激装置を埋め込むので身体への負担が少なく、有効率70~80%と効果も高い画期的な治療法です。
本人の意思に反して便が漏れてしまう「便失禁」は、命に関わる病気ではないが、羞恥心や自己嫌悪をもたらし、生活の質(QOL)を著しく低下させます。この治療は分娩時の括約筋の損傷、直腸癌術後の便失禁、括約筋機能低下等、様々な原因からの便失禁に対して適応があります。